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企業人事を支援する人事代行企業

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はじめに

人事の役割は分担されており、採用、制度設計、評価、労務、教育研修など様々あります。全てに共通しているのは社員が働きやすい環境作りと、組織の「人」に焦点を当てて成長を支援することです。

弊社はWebIT系を中心に、成長企業に対して、社外人事の立場から働く人たちが働きやすい状況を作り、組織の成長を支援しています。

今回は、成長企業における人事の役割について当社の持論を展開していきます。

成長企業における人事の役割

私たちあるよでは、成長していく企業における人事の役割は大きく分けて二つあると考えています。

一つは企業の成長を採用を通し支援していくことです。

それぞれの部門や事業にとって必要な人がどのような人材なのかを考え採用し、オンボーディングなどを通し、早期に活躍できる状況を作ります。

もう一つは組織の生産性を最大化させることです。

一般的に資金調達を行うベンチャー企業では、数年に及ぶ経営計画を作ることが多いです。そして、それに紐づく事業計画や人員計画が固まり、最終的には採用計画が立案されます。成長目標は企業のフェーズによって異なるため、採用計画も企業の状況によって様々となります。

組織の生産性の最大化とは、各フェーズにおける売り上げを伸ばしつつ利益を増やすためにはどんな人員を、どのタイミングにどう配置するか。また、売上利益が好循環に伸ばせる再現性をどこに置くのか、などの仕組みを作ることにあります。それらを「人」を通して達成することが人事の役割だと考えています。

採用戦略を考える

採用戦略を考える際、生産性の最大化を第一にすると即戦力を多く採用する目標をたてがちです。即戦力の採用によって簡単に生産性は上がり、売り上げも増えていくという考えです。

しかし注意しなければならないのは、転職市場に流動している即戦力の人の数がどの程度で、現実的にその方々を集めることが出来るかということです。

例えば、ピッチャーで160km/hを投げれて、ホームランをたくさん打てるバッターでもある野球選手が欲しいというオーダーがあったとします。ただ、そんな選手は世の中で大谷翔平選手ただ1人です。

事業サイドからのオーダーに対して、人材が必要な理由の確認と、市場にどれだけいるのかを考えます。仮に、条件を満たす人がいたとしても、他社との獲得競争で勝てるのかも検討する必要があります。事業サイドとのコミュニケーションを通して、企業にとって必要な人は誰なのか、採用条件が適切なのか、求めている人材を獲得できる見込みがあるのか、を擦り合わせていきます。

この時に大切なのは、事業サイドと対等にコミュニケーションをとることです。そのため事業サイドと同程度に事業計画や事業状況を理解しなければなりません。事業サイドからの意見を鵜呑みにしてしまうと、人事の介在価値がなくなってしまいます。

企業の生産性を最大化させる際に、事業サイドの指示に従って動くだけの関係性は、生産性を下げる構造になってしまいます。

組織の生産性を最大化させる人事になるには

成長組織の生産性を最大化させるために人事に必要なのは、事業サイドと同様に、事業に対する理解度を高めることです。事業サイドは「人」にまつわるプロではありません。採用、労務、組織開発などの人事としての専門知識を持ちつつ、事業についても理解をしておく必要があると考えています。

そのような人事になるにはどうしたらいいでしょうか。

人事の仕事には、ミスなくオペレーティブに捌く仕事と、さまざまな情報を取捨選択し、クリエイティブに行動する仕事の二つの側面があると考えています。

作業者としての人事だけでなく、考えて行動する側面もなければ、組織の生産性を最大化させることはできません。

そのためには、事業サイドが持つさまざまな情報を傾聴できる関係性が必要になります。

どの様にして売上を上げているのか。クライアントやユーザーは何故このサービスや事業を使ってくれているのか。競合他社はどこか。優位性は何か。市場は伸びているのか。現在抱えている課題は何か。在籍者が辞めない理由は何か等、あらゆることを聞いていく中で、徐々に事業サイドのイメージが湧いてきます。その中でベンチマークになる企業を見つけ、過去の成長ストーリーや、失敗事例などを参考にしたり、近しい産業の流れや文脈に結びつけて最適な戦略を予想していきます。

また、採用を推し進めたり戦略を実行していくなどアクセルを思い切り踏むだけでなく、適宜ブレーキも踏みながら最適な組織の形を目指していく事も重要です。成長スピードが想定から乖離し、人件費が高くなってしまうことや、マインドのズレから起こる組織の乱れを防ぐためです。ブレーキを踏むためにも、事業サイドや経営サイドと対等に語り、信頼関係を構築することが大切になります。場合によっては飲み会などでのコミュニケーションを積極的にとり、腹を割って話し合う中で関係性を作っていくことも重要です。

以上のことを通して、自分なりの事業の成長のさせ方を事業サイドの責任者と同じくらいの解像度を持って考えてみることが成長企業における人事の役割だと考えています。自社の事業状況や人員構成を踏まえて、何が起きるかを予測し、最適な人員の組み合わせや戦略について自分なりの答えを持ちましょう。それにより、事業サイドと意見を擦り合わせることができるようになります。組織にとって「人」に関する専門家の立場で最適な戦略を提案していきます。もちろん全て自分の意見を押し通すのではなく現場の意見を尊重し、自分の意見を踏まえて現場と並走する、そういった人事が増えていく事が、成長する企業を増やすことにつながると考えています。

おわりに

成長企業における人事は、作業者としての仕事だけでなく、現場との関係性作りや自社の事業に対する深い理解、事業の未来を創造していく役割があります。しかし、それら全てを行おうとすると膨大な時間がかかってしまいます。

そこで、仕事の効率化の手助けをする立場として私たちに介在価値があると考えています。二人三脚で会社を成長させていく良きパートナーのような関係を作りながら、結果として企業が成長するとお互いに幸せになれる、そのような企業でありたいです。

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