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企業人事を支援する人事代行企業

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はじめに

会社が中途採用で母集団を形成するには様々な方法があります。例えばリファラル、ダイレクトスカウト、エージェント、自己応募などです。

今回はその中でもエージェントの仕組みやエージェントとの関わり方について解説していきたいと思います。

エージェントの仕組み

エージェントとの関わり方を考える上で、エージェント業がどのような仕組みで成り立っているかが非常に重要になってきます。はじめに、エージェントのビジネスモデルについて説明します。

エージェントは、求職者に会社を紹介し、その中の会社に入社することが決まった場合に、成果報酬として年収の30%~50%を受け取るという事業を行っています。つまり、求職者がいない場合、この事業は成り立ちません。

では、どのようにして求職者を集めているのかと言うと、これはエージェントの規模によって二分されます。

パーソルやリクルートなどの大手エージェントは自社の媒体を持っており、そこに登録してきた方に声をかけることで、求職者を集めています。

対して中小規模のエージェントは、ダイレクトリクルーティングシステムを使用しています。エージェントからメールを送ることができる媒体を使用し、求職者にコンタクトを取ることで人材を集めています。大手エージェントに比べて登録人数は少ないですが、良い転職を支援することで、転職に至った方からの紹介や、登録者本人が再び転職をする際に利用を促し、自分たちが強みとする領域の求職者を集めています。

ビズリーチなどのシステムは、企業側もアカウントを持っており、企業とエージェントが共通のデータベースに対してアプローチをしている状況になります。

エージェントの得意職種と苦手職種

エージェントの集客方法の兼ね合いから、採用しやすい職種と採用しにくい職種があります。

ビジネスサイドの一般的な転職活動では、ダイレクトリクルーティング媒体への登録や、大手エージェントへの登録、エージェントからのスカウトメール経由でエージェントに登録する場合が多く、比較的エージェントを経由する機会が多い職種と言えます。

一方でシステムエンジニア等の開発職は、リファラルや企業からのダイレクトリクルーティングで転職をするケースが多くなっています。知名度がある会社や、エンジニアにとって魅力的なサービスを提供している会社は、エージェント経由でも決まる可能性がありますが、ビジネスサイドと比べて、エンジニアをエージェント経由で採るのは基本的には難しいでしょう。

年収数千万円のハイクラスの方々は、一般的な転職活動をしていることが稀で、リテーナー契約をしたヘッドハンティング企業や、副業、知人経由で転職活動をしている方が多い印象です。

エージェントと良好な関係を作るためには

最初に述べた通り、エージェントは求職者が紹介した企業に入社することで、成果報酬を受け取るという構造になっています。基本的にそれ以外の料金は発生しません。(※ハイクラスのリテーナーを除く)

エージェントの仕事は求職者の入社をサポートすることです。そのため入社が決まりやすい企業を優先する、インセンティブが発生しやすい構造になります。

つまり、選考難易度が高かったり、求める人材がピンポイントすぎて、調整が利かないなど、中々入社が決まらない企業はエージェントの優先度が下がる傾向があります。

また、求職者の活動期間は、一般的に2,3か月といわれており、エージェントはその期間内に転職を決めるように動いています。エージェントに決まりやすい会社だと認識してもらうためにも、素早い選考を心掛けることが大切です。

良好な関係を築きたいとエージェントに思ってもらうには3つポイントがあります。

1つ目は、求める人物像や会社の情報を適切にエージェントに伝えることです。エージェント経由で採用する場合、求職者と会社の間には、エージェントの営業担当、求職者担当、会社の人事など複数の人が情報を仲介します。そのため、直接求職者に情報を伝えるよりも、必然的に情報の解像度が低くなります。

どうすれば求職者に解像度の高い情報を伝えることができるのでしょうか。

それは、意図をずらさずに伝えられるような情報の量を増やすことや、誰が見てもわかりやすい資料にすることで可能になります。

例えば、その会社にしかない職種名の募集をする際、聞き慣れない名前だと仕事内容がイメージできず、会社が意図している内容と求職者の認識にギャップが生じます。

そこで社外の人や他の職種の人など、誰が見てもわかるような説明を付け加えることで、より適切に情報を伝えることができるようになります。

2つ目は、レスポンスを早くすることです。

求職者は同時に複数の会社に応募します。

例えば書類選考に時間を要して1週間後に選考通過の返事をしたとします。同時に応募して1日で返事をした会社と比較すると、その後の選考ステップにずれが生じます。1日で返事をした会社が1週間早く最終面接まで進み内定が出た場合、その内定承諾期限内に最終選考を実施できず、選考を辞退するという状況になりかねません。

このような事態が増えると、エージェントから「この会社は選考期間が長いから、早く決まる他の会社を優先しよう」と思われてしまいます。

全選考のスピードとエージェントへのレスポンスを速くすることが大切です。

3つ目は、候補者に合わせて選考ステップに柔軟性を持たせることです。

求職者の一般的な選考を受ける流れは、登録の面談時に複数の会社を紹介され、まずはその中から興味がある企業に応募します。1巡目に受けた会社の結果が出てくるタイミングで、2巡目の応募先を決めることが多いです。自社に2巡目で応募が入った際に、どうしても1巡目の会社との選考ステップにずれが生じ、先ほど述べたように最終選考までできずに他社の内定を承諾されてしまう、という状況が起こり得ます。エージェントと連携が出来れば、そこで面接回数を減らし、他社の選考ステップに追いつかせることが可能です。求職者の選択肢を増やせるため、エージェントにとっても良い行動となります。

もちろん全ての求職者に対応するのは難しいですが、面接で会ってみて「この人は最終面接まで進みそうだ」と思う人のみに対応するだけでも、エージェントからの印象は良くなるでしょう。

上記は恒常的に意識できるポイントです。

その他に、不定期にできる手段として、フィーアップもあります。

期間限定で成功報酬をアップすることで、エージェントに力を入れて対応してもらうことが可能です。

ただし他社もフィーアップをしている場合もあるため、まずは1番高いパーセンテージの会社に合わせてフィーアップしましょう。

エージェントとの関わり方

エージェントと関わるときに「もっと紹介を増やしてほしい」とただ強気にでるだけの会社があります。誰もが入りたい会社であれば良いかもしれませんが、そうではない会社が言ってもエージェントには響きません。

ではどのように伝えればいいのでしょうか。

まずはエージェントの状況を把握します。募集職種に対し、候補者になりうる人がエージェントに登録している人は何人いるのかを確認しましょう。どの会社も流入数等は共有されていることが多く、確認可能な情報です。

次にその人が自社に入社してくれるためには何をしたらいいかを考えます。求職者に一巡目で紹介する会社の中に、自社が入っているかを確認しましょう。入っているのであれば、実際に紹介した人の内、何人が応募しているのかも確認します。そうすると、どこにボトルネックがどこにあるか分析できます。例えば初回の会社群に入っていないのであれば、どうしたら入るかを聞きましょう。入っているが応募が少ないのであれば、どうすれば応募に繋がるかをエージェントと協議します。

このようにただ強気にエージェントを責めるのではなく、状況を確認し建設的なコミュニケーションをとることで、エージェントとの関係が構築され、優先的に対応してもらえる可能性が高まるでしょう。

おわりに

お金を払っているのは会社側であり、エージェントにとって会社はお客さんになります。

ただお客さんの立場を利用し嵩にかかっても、エージェントと良い関係は構築されません。会社側もエージェントに対してクライアントだと思いながら接することが、より良い人材の採用の一歩になります。

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