ダイレクトリクルーティングの媒体の選び方
はじめに
採用活動を成功に導くためには母集団形成が非常に重要です。
この、母集団形成において流入経路はいくつかあり、最も採用できる可能性が高いのはリファラルと自己応募です。次点は職種によってまちまちです。ビジネス系であれば専門のエージェントが多数ありますが、開発エンジニアなどはエージェント登録の絶対数が少なく、採用に至らないケースも多いため、他の手法を探さなくてはいけません。そこで、ダイレクトリクルーティングという手法の検討が必要になります。
今回は、このダイレクトリクルーティングについて説明します。
媒体の種類
媒体は様々あり、それぞれに特徴があります。媒体の使用には掲載料と成功報酬の2つが必要になることが多く、採用の可否に関わらず費用が発生します。
そのため、利用する媒体を選択する際には予算との調整が不可欠になり、他の手段と競合を考慮する必要があります。
エンジニア採用で最初に思い浮かぶ媒体にはビズリーチやGreen、Wantedlly。他にはLinkedIn、Findy、 最新のものではYOUTRUSTなどがあります。
多くの選択肢の中から、適切な媒体を選ぶには明確な基準が必要です。
この基準には、職種毎の採用人数、採用難易度(欲しい層のレベル感)、採用決定までにかけられる期間、コスト、リスク許容度、どの程度の工数をかけられるかが挙げられます。
たとえば、ジュニアを多く採りに行きたい場合は、スカウトを打つのではなくWantedllyの自己応募からの流入が適しているかもしれません。一方、経験豊富なエンジニアを求める場合は、ビズリーチのような登録情報が充実している媒体が適している可能性が高いでしょう。
つまり媒体の選択には、採用人数、レベル感、掛けられる期間、工数、コスト、リスク許容度などを天秤にかけて決定する必要があります。
ターゲットのいる媒体選定方法
まず初めに、どの媒体にターゲットがいるか確認します。
媒体社の営業担当へのヒアリングが重要になっていきますが、直接的な質問だけでは十分な情報が得られません。営業担当は自社の成果を強調するため、採用事例が1つでもあれば、「採れる」と言う回答になるからです。
では、具体的にどのようにヒアリングをしていくか説明していきます。
下記のターゲット例で考えてみましょう。
・Ruby On Railsを用いた開発経験
・自社サービスの開発運用経験が5年以上
・リーダー経験あり
・年収帯:750万円~1千万円前後
・フルリモート
各媒体の営業担当と、検索条件に必須条件と最終ログイン日数などを設定しスクリーニングを行います。自社サービス経験などは検索にかからないため、検索結果から目視でターゲットになる方々がどれ程いるのか確認します。恐らく100人が検索結果に上がったとしても、ターゲットに該当するのは20人前後になると思われます。
この数字が媒体でのリアルタイムにいるターゲット数となります。
ここからは、実際に会える人数の確認をします。各媒体のターゲット数を、ビズリーチは100人、Wantedlly50人、転職ドラフト30人いると仮定します。ここで重要なのは、それぞれの媒体の返信率です。候補者の数に対して返信率はどれくらい見込めるかについてヒアリングをしましょう。
ビズリーチの返信率が8%、Wantedllyは10〜20%、転職ドラフトは30%だったとします。
この数値で想定すると、返信が見込める人数は転職ドラフトが一番多く、次点がビズリーチ、その次がWantedllyになるでしょう。
このようにして、各媒体に何人のターゲットがいるのか、そこからの返信率はどれくらいなのかを確認し、媒体を選ぶ際の判断材料にしましょう。
期間から媒体を選定する方法
媒体を選択する際、その媒体に新規流入がどれほど増え続けるのかを確認しましょう。
初期の検索結果で候補者が100人であったとしても、すぐに採用に結びつかないことがあります。そのため、各媒体の営業担当に、新たな候補者が翌月や翌々月でどれほど増えているかを尋ねます。
例えば、ビズリーチでは当月の候補者数が100人、Wantedllyが50人、転職ドラフトが30人だったとします。そこから、毎月の候補者数の増減を確認をします。
すると、以下の図のように毎月定期的に候補者が増え続ける媒体もあれば、候補者の流入数が減り続ける媒体もあります。
当月だけで見るのではなく、3か月のスパンで見たときの候補者数を考えることで、候補者が枯渇する媒体なのかの見立てが可能になります。
他職種も含めた費用の考え方
エンジニアだけでなく、ビジネスサイドもダイレクトリクルーティングが必要か検討します。
ビジネス職の採用をしたい場合にも、エンジニア採用と同様にどの媒体が適切なのかを確認します。ビジネスサイドにも職種に特化した採用媒体もあるため、全職種をあまねく使うのであればどの媒体が良いか、職種ごとに媒体を分けるのであれば、どの組み合わせかを検討します。
予算との兼ね合いもあるため、予算がどれくらいあるのか、予算が決まっておらず、媒体を探している最中に予算決めをするのであればバッファをもたせておく、ということを考えて媒体を選びましょう。
候補者を口説ききるには
スカウトへ返信があり、ご縁があった方から内定承諾を獲得するには、という問題もあります。
転職ドラフトの場合、競合となる企業がメガベンチャーになる場合があります。この媒体は、年収提示をしているため返信率が3割以上と非常に高い点が魅力です。世間を代表する優良な企業も使っているケースがとても多く、候補者によってはこういった企業群と競合することが往々におきます。そのため、選考を進めて内定を出したが、競合が強く辞退されるケースも多くなります。採用できなければ意味がないと考えると、競合の多い媒体を使わない選択肢も上がってきます。
逆に、候補者の絶対数はあるが使っている企業が実は少ない、競合が少ない媒体をあえて狙いに行くケースもあります。
媒体の特性上多くのスカウトが送れない、競合しづらい媒体を使う事も手です。
もしくは、実績がほとんど出ていない新しい媒体の先行者利益を狙い始めてみるという選択肢もあるかもしれません。
まとめると、自社の口説きに自信がない企業は、強い競合がいない媒体を狙いに行くという戦い方があります。しかし、勝ちパターンが出来るまでは、数字は読みづらいでしょう。
おわりに
ダイレクトリクルーティングの媒体を一つで決め打ちするのは得策ではありません。
欲しい人材と会社のコストを考えて媒体を複数選択する必要があります。
最後に、オススメの組み合わせを紹介したいと思います。
- エンジニア、ビジネスサイド含めての採用 ビズリーチorWantedly
- エンジニア系のみでで年収帯が出せる場合 ビズリーチ+転職ドラフト
- エンジニア系のみで年収帯が出せない場合 Wantedly+Green
媒体を上手く活用し採用活動を成功させましょう。
appendix
Wantedly
転職ドラフト
Green
Findy
YOUTRUST
※本記事で表示されている数値は例になります。